小金井手話広場11月
10月は会場の都合で開催できませんでした。
今月も、いつもの第3金曜日ではないのですが、30日の金曜日に行います。
今回のゲストは、日本手話講師、国際手話講師など、様々な活動をされている高桐尊史氏。
愛称「コナン」として有名ですね。
手話広場にも年に1回くらいは毎年来ていただいています。
今回はどんな話を…
いつものように武蔵小金井駅前の宮地楽器ホール1Fマルチパーパススペースで、午後7時からやっていますので、皆さんの参加をお待ちしています。
遠くから…
「手話通訳士のいる補聴器専門店」
小金井補聴器は、そういう看板を掲げています。
これは、普段は手話でコミュニケーションを取っているという方で、補聴器を持ってはいるが、補聴器販売店のスタッフとコミュニケーションがスムーズにいかないことで、補聴器の調整が上手くいかず、補聴器を十分に活用できていない方がいらっしゃるからです。
日本語を第一言語にしている方にとって、日本語の音声を使用しないで会話をすることを考えると、千葉筆談やジェスチャー、その他の方法でも、思っていることを十分伝えることが出来ないとか、そもそも面倒くさいといったことがあると思います。
それは、手話を第一言語にしている方が、手話以外の方法でコミュニケーションを取らなければならないのと同じことになります。
販売店の方と十分意思疎通が出来ていて、補聴器の調整が上手くいっている方は問題ないのですが、そうではなく、せっかく持っている補聴器があまり役に立っていないという方がいらっしゃいましたらぜひ、ご来店いただければと思います。
遠くからおいでいただくのは、時間もかかりますし本当に申し訳ないのですが、現在は東京以外でも、神奈川・千葉・埼玉から、遠い方だと片道2時間以上もかけて通って来ていただいています。
(当店は国内補聴器メーカーの取り扱いはありません)
手話と日本語③
前回少しややこしい話をしましたので、今回の内容は少し簡単なものに…。
練習先日手話サークルで聞き取り表現の練習をしました。日本語を聞いてそれを手話で表わすトレーニングです。
課題文の中にこんな箇所がありました。
「人参を一口大に切ります」
「一口大」という決まった手話単語はありませんので、まさに一口大の大きさを手で表わします。
何人かが同じような表現をして、意味が通じないことはないかもしれませんが、私には少し違和感がありました。
「人参」「一口大」「切る」
手話では基本的には物事を順番通りに考えますので、「一口大に切る」という考え方ではなく、「切って一口大の大きさにする」という考え方になり、「人参」「切る」「一口大」の表現になります。
そして「切る」とい表現ですが、ハサミで切る、ノコギリで切る、包丁で切るというのは、全て表し方が違います。
包丁で切る場合も、キャベツの千切りと豆腐をさいの目に切る、きゅうりの薄切りでは切り方が違います。
人参を切って一口大にするには乱切りのような動きが必要です。
イメージ言葉に反応して手話を表わすのではなく、形や動作をイメージして表せば、自然と見ている人に通じる表現になると思います。日本語を手話に変えるだけでは通じない手話になってしまいます。
手話と日本語②
手話と日本語の違う点はいろいろありますが、まず時間軸の考え方について。
日本語でA「美味しい料理をごちそうになった。」は手話の単語としては①「美味しい」 ②「料理を出してもらう」 ③「食べた」
聴者は基本的には物事を日本語で考えてしまうので、Aの日本語を聞いた時には、つい①②③と手話を表わしてしまいます。
ですが食べるまでは美味しいかどうかは分かりませんよね。
手話では「料理を出してもらう」「食べた」「美味しい」
日本語に直訳すれば「料理をごちそうになったら美味しかった。」となりそうですが、この手話の意味は「美味しい料理をごちそうになった。」となります。
食べるただ、日本語でも
B「美味しい料理を食べた。」と
C「料理を食べたら(以外にも)美味しかった。」
この2つは少しニュアンスが違います。
手話では単語の語順としてはどちらも
Ⅰ「料理」 Ⅱ「食べた」 Ⅲ「美味しい」
となりますが、BとCでは少し表現が変わってきます。
BではⅠとⅡをスムーズに表わし、Ⅱの後にうなずくという間(ま)を作りⅢを表します。
Ⅲを表わす時は、美味しいという表情が当然必要です。
Cの場合には文字で書くには難しいですが…。
料理の見た目は良くないのに食べたら美味しかった場合は、Ⅰの後に見た目が良くないのでマズイかも…
というような表情というか首をかしげるというかそのような間が入ります。
そのあとⅡの時に徐々に美味しい表情に変わり、その表情のままⅢの表現になります。
また、味は期待していなかったのだけど、食べてみたら美味しかったという時には…。
ⅠとⅡは表情を変えずに続けて表わしますが、Ⅱの後に間が入ってその時に美味しい表情に変わっていき、そこからその表情のままⅢの表現になります。
書くとややこしくなりますが、その人の気持ちになって表してみると、自然とそのような表現になるのではないでしょうか。
同じ手話単語を表しても、表情、手を動かすスピードや方向、強さ、硬さや柔らかさ、間の作り方などのよって意味が微妙に変わってきます。
手話って奥が深いですねえ。
手話と日本語①
先日、手話通訳者の研修に出た時に、「そうだよね」と納得したことがあります。
経験上なんとなく分かっていることではありますが、日本語と手話の文化の違いについて大きくうなずきました。
例えば何かメモを取ろうとした時にペンが無いと聞こえる日本人は近くの人にこんなことを言います。
「ペンをお持ちではありませんか?」
いつも会っている親しい友人であれば、
「ペン持ってない?」
隣の人にそのように言われた場合、日本語を勉強しただけの外国人であれば「持ってます」か「持ってません」のどちらかの答えになると思います。ろう者もきっと同じような答えになるでしょう。
聴者の場合は「はいどうぞ」とペンを貸すか、「すみません。持ってません」と貸してあげられないことのお詫びをします。
それは、「持ってませんか?」という言葉の裏に、「持っていたら貸してください。」という意味が含まれていることを知っているからです。
これは、日本語の文化と手話の文化が違うだけで、持っているのに貸してくれないろう者がけっして意地悪というわけではありません。
「持ってますよ。」と答えた方に、「貸してください。」とお願いすれば、きっと快く貸してくれることでしょう。
小金井手話広場9月
9月の手話広場はいつも通り第3金曜日になりますので、
21日の19時から宮地楽器ホール1Fで開きます。
今回の講師は2年ほど前まで小金井市にお住まいで、結婚されて世田谷に引っ越された女性です。
小金井時代にはろう協の理事として活動されていて、とても明るい方なので楽しい話が見られると思います。
講演テーマは聞いていませんが、世田谷に引っ越した後の話が聞けるといいなあと、個人的には思っています。
会費は無料ですし、どなたでも参加出来ますので、ぜひ多くの方のご参加をお待ちしています。
小金井手話広場 8月
小金井手話サークルの夜の部で行っている手話広場ですが、本来は毎月第3金曜日に行っています。
ただ、8月はお盆の時期に重なるので、31日に開催することになっています。
今月講演を行っていただけるのは久しぶりに地元のろう者。
両親もろう者で、ご主人もろう者。
現在子育て中で、お子さんもろう学校幼稚部に通っています。
デフファミリーの中で育った彼女の手話はとても魅力的で、テーマは未定(私が知らないだけか?)ですが、その手話を見るだけで価値があります。多くの方の参加をお待ちしています。
ろうあ者講演後には彼女も交流会に参加してもらえます。
そちらもぜひどうぞ!
日時:8月31日 19:00~21:00
場所:小金井 宮地楽器ホール1F(マルチパーパススペース)
小金井手話広場 7月
今月20日に手話広場を開催しました。
今回は片桐幸一氏を講師にお招きしました。
片桐さんは旅行会社のHISにお勤めで、ユニバーサルツーリズムデスクで聴覚障害者の受付を担当されています。
以前は受付で相談に乗ったり旅行を企画したりが専門だったということですが、今はそれだけではなく添乗員としてもお客様と一緒に世界中を飛び回っていらっしゃるようです。
片桐さんがこのお仕事を始めたころには、他の2つの旅行会社でも聴覚障害者専用のツアーがあったようですが、現在はHISだけということですので、興味のある方はネットで「HIS 手話」で検索してみてください。
(「HIS 手話」のホームページはこちら)
講演後は交流会に参加していただいた片桐さん。
それほどお酒は飲んでいらっしゃいませんでしたが、ご自宅が小金井から近いというわけではないのに、遅くまでお付き合いいただきました。
お帰りは大丈夫だったでしょうか…。
防災訓練
7月初めのことなので、少し前になりますが。
小聴協と手話サークル、小登連(小金井市登録手話通訳者連絡会)の3団体の災害対策委員が、市内のある町会の防災訓練に参加しました。
消火栓の使い方を教わったり、消火活動:放水などや、倒壊した家屋の下敷きになっている方を、ジャッキを使って救出することなどを実際行いました。
市で行っているわりと大がかかりな防災訓練には3団体で毎年参加していますが、町会単位で行っているものに参加したのは初めてです。
こちらがいろいろと訓練させてもらうのも目的の一つでしたが、地域には聞こえない人も一緒に暮らしているので、避難所などにもそういう人がいるということを考えていただくことが大きな目的でしたが、その目的は果たすことは出来ませんでした。
消防士などの専門家から細かく説明をしてもらい、実際やってみるという内容が多かったので、訓練中に参加者の皆さんにろう者を理解してもらうことはなかなか…。
それでも最後の炊き出しの時などには、良い交流ができたのではと思っています。
小金井では避難所などではろう者にはピンクのビブスを着てもらいます。
その人たちには音声だけでは情報が伝わらないということを地域の皆さんに少しでも分かってもらうめ、今後も各町会などの訓練に参加していくことを続けなければと思っています。
地域では私たちと面識のないろう者も多いと思いますので、もし避難所等で黄色いビブスを見つけたら、手話で話しが出来ますので、声をかけて下さい。